富を山分け

今朝ものど自慢の人気者、父のお友達で今は私のお友達でもあるHさんが、

「おはよう!」

と、元気よく店から入ってきました。

そうして2,30分ほど話をして帰っていくんですが、今日の話がちょっとおもしろかったんです。

Hさんの職場は、40人ほどの人がいて、その人たちで宝くじの共同購入をしていたんだそうです。
一般の社員は1人1組、3000円ずつ、Hさんのような役職の人は2組、6000円を出し合い、係の人が買った宝くじの番号を一覧表にして配ってくれて、発表の日はみんなその表と当たり番号を照らし合わせて楽しんでいたとか。

ある時もまたそうしていたら、締切の日にある女性社員が休んでいて、係の人が上司であるHさんに、その人の分を立て替えてくれないかと言ってきたんだそうです。

Hさんはいいよ、立て替えてあげたんですが、翌日出社してきたその社員は、

「どうせはずれるのに、いらなかったのに」

と、不満たらたら。

Hさんは、

「それは勝手に立て替えて悪かったなあ、いいよ僕がもらっておくから」

と、自分が3組購入することにしたのだそうです。

そして当選発表の日、なんと、その共同購入の宝くじ、

「500万円」

が当たった!

もう大騒ぎです。
大体一人20万円ぐらいもらえる計算になったのだとか。

そうしたらそのHさんが立て替えてあげて、いらないからと言った女子社員がやってきて、

「立て替えてくれててありがとうございます!」

と、Hさんに3000円を持ってきたのだとか。

「うわあ、厚かましい!」

思わずそう言ってしまいました。

ですが、Hさんは、元々立て替えて出したものだし、とその3000円を受け取って、その女性社員は賞金を手にして、

「これで海外旅行に行ける!」

と、大喜びしたそうな。

「私やったら厚かましくて、そんなことよう言うていかんなあ」

と言ったら、

「まあ、そういう子やったから」

と、Hさんは笑ってましたが、いや、本当に心臓強いな!

そしてその後、Hさんはそのことをラジオに投書し、それを読んでもらって賞品をもらったそうです。
それにしても、もう何十年か前の20万円にはとっても届かないとおもいますが、
そういうことがあった、ということです。

そしてそれはHさんがその部署に行った途端だったので、それからその話を聞いた他の人たちから、

「共同購入しよう」

と、声をかけられるようになったそうですが、

「そんなうまいこと当たるはずない」

と、Hさんは笑ってました。

その賞金を受け取った女子社員、今はどこでどうしてるか分かりませんが、いいことに賞金使って、運を逃していないといいなと思います。

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