日別アーカイブ: 2024年2月27日(火)10時51分

今年のいかなご事情

昨日、会議を重ねに重ねて今年のいかなごの解禁日が決定しました。

3月9日解禁。
でも漁獲高を見て少なかったら1日でやめるかも。

大阪湾は今年は漁をしないことに決まったので、播磨灘だけで解禁です。

うーむ、これってどうなんよ?
もう何十年もいかなごを炊いてきた我が家としては、できれば今年も炊きたい。
楽しみにしてくれてる人が何人もいてくれるし、それこそうちの年中行事だもの。

ただ、そこまで減ってるというのに、

「文化として残さないと」

という理由だけで下手すりゃ1日だけ漁するって、どないなもんやねん、と思うのも正直な気持ちです。

本当の本心は炊きたい、毎年ぐらい炊きたい。
だけどその1日で来年また同じこと繰り返すなら、思い切って1年や2年、漁を休んで様子を見てもいいんじゃないかとも思います。

今年の1日がこの先十年、二十年につながるなら、そのぐらい我慢するぞ。

同時に、今年だけはどうしても炊きたいって人もいると思うんです。
例えば、毎年楽しみに待ってくれてるおばあちゃんが余命わずかとか、そういう人もいると思う。
来年からは海外転勤で何年も帰ってこられないとか、個人の事情は色々あります。
だからそういう方たちのためだけにも1日でも、という気持ちも分からないではない。

そもそもなんでいかなごがいなくなったかにも諸説あり、どれが正解か分かってないらしい。

温暖化の影響、海がきれい過ぎて栄養が足りない、乱獲。
どれも本当そうで、いまいち絶対これだってのがないってのが事実らしい。

もしも温暖化の影響なら、こりゃもうどうにもできない。
みんなでがんばって冷たい水流す?
それも無理でしょう。

栄養が足りないということで、田んぼの泥なんかの栄養を流そうって活動もされてるし、東北の方では牡蠣のために山を豊かにしないとと木を植えて豊かな海が戻ってきたって話もあります。
その方法でなんとかいかなごが育ちやすい環境にすることも可能でしょ。

そして乱獲で減ってるというのなら、思い切って休んで分母を増やせば来年、再来年、もっと増えてくれる可能性もあるんじゃないの、と思います。

それと、もう一つの問題が値段です。

元々いかなごは庶民のごちそう、旬には手頃なお値段で出回るのでたくさん炊いて親戚や知人におすそ分けしたり、他の方と交換したりしてたわけです。
今みたいにめちゃくちゃ高くなったら撤退する人もそりゃ増える。

もしも1日だけの漁ってことで1キロ5000円だの1万円だのってなったら、とっても買えない。
これまでも初日3000円超えで無理ーってなってきてるのに。
普通で2000円ぐらいになってしまって、高級魚って言われてるのに。

庶民の味方に戻って昔のように何十キロも炊かせてほしいと思います。
そのためなら1年や2年我慢するよ。
大部分の人もそう思うじゃないのかなあ。

文化の継承のためって言うけど、こちとら何十年も炊いてきてるんでぇ、1年や2年休んだからって、へっ、体にしみついてんだ、忘れるなんてこたぁねえぜ!

と、江戸っ子みたいにたんか切ってみますが、いや、本心です。