「牛乳寒天を作ったことがある、また作ってあげるよ」
これは、あるところのくまさん、その名を、
「パティシエ・ミミッチーノさん」
と申すその方が、口にした言葉です。
また作ってねと言ったまま、今まで一回も作ってもらったことがありませんでした。
本人は一回作ったと主張するんですが、もしもそんなことがあったら私は日記に書いてます。
そして、今日やっと、初めて作ってくれることになったんですが、その作り方を見て、やっぱり作ってもらってなかったと確信しました。
「お鍋で作ってそのまま冷やしてスプーンですくって食べる」
まあ、いいんです、それは。
私だってそのぐらいの手抜きデザート作りますし。
作り方を伝授されました。
まずお湯を沸かす。
そのお湯で粉寒天を溶かす。
そこに牛乳を足す。
冷やす。
必要材料に、
「フルーツの缶詰を使う」
と言ってたんですが、ここまで一切登場してこない。
それを指摘すると、
「できた牛乳寒天の上に缶詰のシロップごとばーんとあけて、それを一緒にすくって食べる」
って、そんな特殊な作り方したの食べたら絶対覚えてるわ!
ってことで、やっぱり作ってもらったことはないです。
断言します。
それで、お鍋と言うので、それだったら保存容器にしたらどうかと提案しました。
一緒ですよね、何で作っても。
そしてその案が採用されました。
「お湯、沸かしてあげてほしい」
おい、待て!
「そういうのも全部自分でやってこそじゃないの?」
「助手に沸かしてあげてほしい!」
仕方ないので分量、水600mlを小鍋に入れて沸かしました。
「お湯、入れてあげてほしい」
自分で入れろよ、と小鍋をそのまま渡す。
「寒天がだまになった」
どうやらパティシエ、一気に容器にお湯を入れたのでだまになったらしい。
必死でスプーンで・・・
「なんでそんなティースプーンつかっとん、カレースプーンぐらいつかわんか!」
と、助手、スプーン差し替え。
ぐるぐる回してるが溶けない。
助手も手伝うが、まあ残っててもいいかということで、完了。
「牛乳測るカップ持ってきてあげてほしい!」
持ってきて渡す。
パティシエ、牛乳を測って入れる。
助手、それをぐるぐる。
牛乳を入れ終わった。
「粗熱がとれたら冷蔵庫で冷やしてあげてほしい!」
助手、冷やす。
えっと、これだけですか?
「これだけ?」
「これだけとか言わない!」
いや、これだけ、やろ。
作ったのはお昼ご飯を食べてすぐ、1時頃。
そして夕食後、取り出したらすっかり固まって冷えている。
これを切って盛り付けるのかなと、まな板と包丁持ってきたら。
「なんでそんなもん持ってきたの」
って、盛り付けるのでは?
「そのまま」
「ええっ!」
パティシエ様によりますと、この上にざばーんとフルーツの缶詰あけて、そのまま直でスプーンですくって食べるとのこと。
それではあまりにあまりなので、スプーンですくって小鉢に分けて、食べることにしました。
ちょっと多めに作ったから、直スプーンで食べて残すのも嫌です。
食べたらまあおいしかったかな。
パインの缶詰を使ったんですが、シロップとパインと一緒の時には甘みがあってとてもおいしい。
ただ、寒天だけ口に入れたら甘みがない。
「今度はシロップと水で作ってみたらいいんじゃないの」
「そういう手もあるかも」
ということで、次は進化した牛乳寒天を作ってもらう予定です。
多分、その時も助手が多く働くことになるんやろけどな!
残ったのはまた明日食べます。